伝説のドライバーたちに、もう一度真剣勝負をしてほしい。
そして、レース後にさらに話題がふくらむようなレースにしたいです。

SPECIAL ISSUE : 富士スプリントカップの見どころを聞く
第6回
服部尚貴 [SUPER GT Driving Standard Observer/レジェンドカップ プロデューサー]

“レジェンドカップ”について、概要を教えてください。


服部尚貴
SUPER GT Driving Standard Observer
レジェンドカップ プロデューサー


 日本のモータースポーツも50年近い歴史を刻んできて“レジェンド(伝説)”を作ってきたドライバーが大勢います。そういう、かつての天才、名手のみなさんに、もう一度若い頃のような真剣勝負をしてもらえたら、というのがそもそもの発想です。
 日本には、そうした人たちをきちんと顕彰する場がないんですよ。現在、チーム監督などでレースの現場に来ているドライバーでも、かつてどんな走りをしていたのか知らない若いファンも多い。まして現場を離れたドライバーは、名前すら憶えてもらっていない。それではいけないのではないかと、僕はかねがね感じていました。いま、日本のモータースポーツが存在できているのも、こうしたドライバーがいたからこそなのですから。

どういう方々が出場されるのでしょうか?

 まだ交渉中ですが、現在予定しているのは近藤真彦、鈴木亜久里、関谷正徳、高橋国光、中嶋悟、長谷見昌弘、星野一義、松本恵二の各氏(五十音順)ほか、20人です。僕自身としてはもっともっと多くの方々に出場していただきたいのですが、車両の都合などもあるので、今回はSUPER GT/JGTCおよび、フォーミュラ・ニッポンと全日本F3000選手権で活躍していた方々を中心に考えています。

車両は?

 マツダの協力で、レース仕様のロードスターを貸していただけることになりました。毎年恒例のメディア対抗4時間耐久レースで使われた車両そのもので、タイヤを含めてイコールコンディションが保たれています。

予選や決勝のやり方は?

 11月12日(金)に30分間の練習走行兼予選、13日(土)と14日(日)にそれぞれ決勝レースを行います。
 土曜日の決勝グリッドは予選タイムに基づきますが、年齢によるハンデを設ける予定です。50歳を超えるドライバーは年齢から50を引いた秒数を予選タイムからマイナスしてグリッドを決めます。たとえば60歳のドライバーだったら、予選タイムから10秒マイナスするということです。50歳以下のドライバーはノーハンデです。日曜日の決勝は土曜日の順位を逆にして、土曜日に最下位だったドライバーがポールポジションからスタートします。

どんなレースになりそうですか?

 年齢ハンデなどを考えると、グリッド順のまま逃げる展開にはならないでしょうね。ノーマルに近い車両ですからスリップストリームも効きますし、あちこちでバトルが観られると思います。僕自身としては、現役ドライバーによるSUPER GTやフォーミュラ・ニッポンの緊張感とはちょっと異なる、真剣な中にも笑顔がこぼれるようなレースを作っていきたいと思っています。とにかく、走る人に真剣に楽しんでもらえれば、観ている皆さんにとっても楽しめるレースになるのではないでしょうか。
 このレースが、オールドファンをサーキットに呼び戻すきっかけになればうれしいですし、同時に若いファンが昔の人たちをリスペクトできる環境づくりに貢献できたら、さらにうれしいですね。
 とにかく、終了後に「あの人は若い頃こうだった…」というように話題がふくらむようなレースにしたいと思っていますので、期待していてください。