SUPER GT レースプレビュー
SUPER GT Race Preview

ウエイトハンディのない“ガチンコ・スプリント” シーズン最後の超真剣勝負はレースファンなら必見

 シーズンオフのビッグレースとして2010年から始まった「JAF グランプリ SUPER GT & Formula NIPPON “富士スプリントカップ 2012”」。今年の大会も今週末にはいよいよ本番を迎えることになりました。国内モータースポーツの双璧、SUPER GTとFormula NIPPONが同日開催されるイベントだけに、普段はどちらかのレースだけしか見ていなかったファンには、ぜひもうひとつも楽しんでいただければと思います。
それだけではなく、富士スプリントカップには普段のシリーズ戦にはない、つまり富士スプリントカップならではのおもしろさがいっぱい詰まっています。ここでは、そんな富士スプリントカップのメインレースのひとつ、SUPER GTの基本ルールや見どころなどをご紹介しましょう。

シリーズ戦では2クラス混走やドライバー2人制


 通常のシリーズ戦では2人のドライバーがコンビを組んで参戦します。レースによっては500kmとか1000kmの長丁場の戦いもありますが、通常は250kmから300kmの距離を、ドライバーが交代しながら走り切るのがSUPER GTのレース方式です。
 ドライバーが交代する通常のピットインでは、同時にタイヤを交換し、ガソリンを補給するのが一般的。ですが、最近ではタイヤ無交換作戦などをトライするチームもあり、ピット戦略もレース観戦の楽しみのひとつとなっています。
 またGT500クラスとGT300クラスという速度の違う2クラスが混走し、それぞれで順位を争います。このためGT500クラスのマシン数台がトップを争う中、順位を争っているGT300クラスのマシン数台をパスすることもあるのです。単なるライバルとの抜きつ抜かれつだけでなく、状況を素早く判断し対応するドライバーの技量、そんな観る側にはスリリングなシーンも人気のひとつとなっています。

シリーズ戦とは違うルールと4回の決勝レース

 ところが、富士スプリントカップのSUPER GTは、そんなレース方式が一新されています。まずGT500とGT300クラスが別々にレースを行います。さらにドライバーも1人で1レースを担当。シリーズ戦のような“混戦”ではなく、純粋にライバルとの戦い、ドライバー1人の技量を見ることができます。ちなみにレースがクラス別の上、土曜(17日)、日曜(18日)とありますから、4レースも楽しめるのです。
 さらに“スプリントカップ”の名の通り、レース距離は100km。この距離ですから、レース途中での燃料補給もタイヤ交換もありません。だからピットインのタイミングやタイヤ交換の有無/交換する本数で勝負に出ることもなく、レースは完全に速さの勝負となります。
 一方、特定のマシンが性能的に有利にならないようシリーズ戦では、各マシンのポイントに比例してウエイトハンディを搭載されるのがSUPER GTの大きな特徴です。しかし、この富士スプリントカップではそのウエイトハンディも“なし”になります。ドライバーの腕、マシンの性能を前面に出した、いわゆる“ガチンコ”のレースが展開されることになります。

GT300はより混戦の要素が。スタンディングスタートにも注目


 ただしGT300クラスに関しては一部シリーズ戦から性能調整が変更されます。シーズン中にややスピードで苦しんだJAF GT車両(JAFの規定による改造範囲の広い車両)の多くが1ランクリストリクターサイズ(エンジンの空気入量制限。これがアップするとパワーも上がる)がアップされました。これに対して、FIA GT3車両(FIAによる規定でパワーのあるGTカーだが改造はほとんどできない)では、調整のウエイトが搭載されることになりました。これによりシリーズ戦より拮抗したGT300クラスの戦いが見られそうです。
 また、通常のシリーズ戦がローリングスタートで行われるのに対して、この富士スプリントカップではスタンディングスタートが採用されます。ドライバーや、ひょっしたらマシンにも、その得手不得手があるかもしれません。比較的きれいにスタートするローリングに対し、選手の駆け引きや失敗による混乱が起きやすいスタンディング。ぜひ、スタートから目を離さないでくださいね。いずれにしても、富士スプリントカップにおけるSUPER GTの4レースが、シーズン最後の超真剣勝負となるのは間違いありません。

シリーズ・チャンピオンから一言 2年連続チャンピオンとしてSUPER GT/GT500クラスに参戦


柳田真孝選手(No.1 S Road REITO MOLA GT-R)
「今年は悔しさ2倍で挑む富士スプリントカップです」


 去年に続いて2年連続してタイトルを獲ることができました。でも、勝って終わりたかったシリーズ最終戦で、最後まで38号車(ZENT CERUMO SC430)を抜くことができず、嬉しさ半分の(シリーズ戦の)フィナーレになってしまいした。
 また富士スプリントカップには2年連続で出ているんですが、2年連続2位。総合成績で優勝した去年も、僕個人としては勝ってないので、納得はできていません。ということで悔しさは2倍だから、その分、今年のレースには気合いが入っていますよ。
 普段のシリーズ戦はローリングスタートだけど、富士スプリントカップはスタンディングスタート。オープニングラップの1コーナーはいつも以上に激しいバトルになって順位変動も普段以上。だからここがひとつの勝負どころです。2年連続チャンピオンとして恥ずかしくない結果(優勝)を狙って行きます。あと、親父(“Zの柳田”と名を馳せた柳田春人氏)もレジェンドカップに出るから、親父にもがんばってもらって、親子で優勝することが、個人的には大きな目標。めいっぱいがんばります!